「働きたいけれど働けない」「働いていたけれどうつ病になってしまった」「社会復帰できるか不安」といった、デリケートな悩みを抱えている方のなかには、働くことを諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、就労移行支援事業所を活用することです。就労移行支援事業所を活用すれば、体調やメンタルに悩みを抱えている方でも、働くことを諦める必要はありません。
本記事では、うつ病などメンタルに不安のある方に向けて、就労移行支援の概要やメリットについて説明します。
目次
うつ病の方におすすめの就労移行支援とは?
うつ病の方のなかには、仕事を探すさいに不安や疑問を抱える人も少なくありません。たとえば「自分に合った仕事を見つけることができるのか?」という疑問は、同じ症状を抱える方であれば、多くの方が感じる疑問でしょう。
障害福祉サービスのひとつである「就労移行支援」というサービスを活用すれば、自分にマッチした、安心して働ける職場を見つけられるかもしれません。
就労移行支援事業所で受けられるサービス内容
就労移行支援を行う事業所では、うつ病の方が仕事を探すさいの支援を受けられます。PC操作などの職業訓練や職場体験実習、模擬面接、履歴書添削など、サポートは多岐にわたります。これにより、自分のペースで仕事を探し、安心して働ける環境を見つけられます。
ソース堺東・三国ヶ丘では、具体的に次のような活動をしています。
- WordやExcelといったPCソフトの学習
事務系の仕事で必須となるOfficeソフトの操作に習熟するためのトレーニングを行います。
- 就労準備講座
面接対策や履歴書添削、ビジネスマナーなど、就職活動中や就職後に必要となる知識を学びます。
- 職場実習
他の機関や企業と連携して、実際の職場での研修を受けられます。
- 就職後の職場定着支援
就職後も当事者や企業の担当者と面談を行い、職場での定着をサポートします。
各種技能のスキルアップをはじめ、仕事探しや面接の練習はもちろん、採用面接に同行することも可能です。就職後の定着支援といったアフターフォローも行っているため、支援を受けることで安心して働き続けられるでしょう。
就労移行支援の利用条件
就労移行支援を利用するための条件は、以下のとおりです。
- 18歳以上65歳未満の方
- 一般企業で働くことを希望している方
- 障害者手帳、もしくは症状などが記載された医師の診断書のいずれかを所有している方
就労移行支援を利用するだけであれば障害者手帳の保有は必須ではありませんが、障害者雇用を考える場合には障害者手帳の保有が必要となることもあります。
就労移行支援を受けるために必要なもの
就労移行支援を受けるためには、障害者手帳、自立支援医療受給者証(精神通院医療対象者)、症状などが記載された医師の診断書のいずれかが必要です。これらの書類は、就労移行支援を利用する際の手続きや、障害者雇用を考える際の証明として使用されます。
【就労移行支援の利用料金】
就労移行支援事業所の利用料金は主に税金で賄われており、利用料金の一部が当事者の自己負担額となります。
生活保護を受けている人や、本人と配偶者(妻、夫)の住民税が非課税の方の場合は利用料金が無料になるケースもあります。
また、就労移行支援などの障害福祉サービスには「自己負担上限額」という制度が存在します。この上限額は、利用料金が一定の金額に達したら、それ以降はどれだけサービスを利用しても、毎月その上限金額までしか支払う必要がないというものです。この自己負担額の上限は収入によって決まります。
利用料金の年収目安
扶養親族 | 年収目安 | 利用者負担額 |
なし | 0円~204万円 | 0円 |
205万円~575万円 | 9,300円 | |
妻または夫のみ | 0円~204万円 | 0円 |
205万円~625万円 | 9,300円 | |
妻または夫+子供1人 | 0~205万円 | 0円 |
206万円~625万円 | 9,300円 | |
妻または夫+子供2人 | 0~255万円 | 0円 |
256万円~625万円 | 9,300円 | |
妻または夫+子供3人 | 0~305万円 | 0円 |
306万円~625万円 | 9,300円 |
うつ病の方が就労移行支援を受けるメリット
うつ病を抱えている方にとって、就労移行支援の利用は多くのメリットがあります。ここでは、その主なメリットを詳しく説明します。
生活リズムや体調の安定につながる
就労移行支援事業所に通所しはじめると、毎日決まった時間に同じ行動をすることになり、自然と生活リズムが整います。日常生活のリズムが整うことで、体調の安定につながります。さらに、事業所では利用者さんの毎日の心身の状況をヒアリングし、体調管理をサポートしています。
日中に外出する予定がないと、どうしても夜型の生活を送ってしまいがちです。就労支援を受けることで昼夜逆転の不規則な生活から脱却し、質のよい睡眠を取れるようになります。睡眠の質の改善は、うつ症状を和らげる助けとなるでしょう。
自身の現状について理解が深まる
就労移行支援事業所でスタッフと面談したり、就労準備講座やグループワークといったプログラムに出席することにより、自分自身の現状や過去の経験について深く理解することができます。就職活動に関する自分の強みや、弱みを見つけ出すサポートを行っています。
似た境遇の人との関わりが持てる
就労移行支援事業所には、自分と同じような経験をした人や、同じ悩みを抱えている人が通所しています。同じような状況の人々からの共感や励ましを受けることで、孤独感が軽減され、気持ちが軽くなるかもしれません。
また、事業所では様々なレクレーションイベントを開催しており、参加者同士での情報交換や経験の共有が行われています。これにより、他の参加者とのつながりを深められます。他の参加者との交流の機会が増え、人間関係の幅が広がります。
前向きな気持ちやモチベーションアップにつながる
サポートを受けることで、前向きな気持ちやモチベーションが高まります。さらに、事業所でのトレーニングの成功体験を積み重ねることで、自信を取り戻すことができるでしょう。そのほか、実際の企業の仕事を体験できる、職場体験実習なども行っているため、こうした活動を通して自分の能力を確認し、自信を持つことができるでしょう。
コミュニケーションスキルを磨ける
就労移行支援事業所では、コミュニケーションスキル向上のためのトレーニングを受けられます。職場での挨拶や連絡に関するロールプレイやディスカッションを通して、人間関係の構築や職場でのコミュニケーションがスムーズになります。
就職活動の支援が受けられる
事業所では就職活動に関する具体的なアドバイスやサポートを受けることもできます。効果的に就職活動を進めるためには、目標を設定し、もろもろの準備が必要です。履歴書の添削や面接対策、就職活動の計画作成など、ひとりでは進めにくい事案について経験豊富なスタッフが支援を行います。希望があればハローワークへの同行、面接への同行なども可能です。
就職後の支援が受けられる
就労移行支援事業所では、就職したあとの定着支援も行っています。就職後に定期的な面談を実施、新しい職場での適応や体調管理をサポートします。企業の担当者と当事者の間での折衝を行うこともあります。
うつ病の方が就職活動を進めるさいに気を付けるポイント
うつ病を抱える方が就職・再就職を考えるばあい、多くの不安や疑問を感じることが少なくありません。しかし、就労移行支援事業所を活用して適切な対策と準備を行えば、安心して就職活動を進められます。ここでは、うつ病を持つ方が就職活動を行う際の注意点やアドバイスをご紹介します。
規則正しい生活をする
うつ病の方は、症状が重いとき、特に生活リズムが乱れがちです。昼夜逆転した生活や不規則な食事は、症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。就職を考える前に、まずは就寝・起床時間を整え、就労時と同じ生活リズムを築くことが大切です。就労前から規則正しい生活を心がけることで、日中のパフォーマンスが向上し、面接などでも自分の力を最大限に発揮できるでしょう。
社会復帰を焦りすぎない
うつ病の治療と回復には、多くの場合で長い時間がかかります。経済的な理由や周囲の期待により、就職を急ぐ気持ちになるかもしれませんが、焦りで症状が悪化する可能性があります。治療を最優先と考え、医師のアドバイスに従い自身のペースで就職活動を進めることが大切です。
就活期間を長く設定する
うつ病の方は、就職活動を行うさい、活動期間を長めに設定することをおすすめします。短期間での就職を目指すと、そのプレッシャーが症状を悪化させる恐れがあります。余裕をもった期間を設定して、自身のペースで活動を進めましょう。
一人で考え込まず周りに相談する
うつ病の方は、悩みや不安を一人で抱え込みがちです。しかし、就職活動はひとりで行うものではありません。家族や友人をはじめ、主治医や専門の支援機関など、多くのサポートを受けられることを覚えておきましょう。特に、うつ病やその他の精神疾患を持つ人の就労を支援する機関は多く存在します。これらの機関を活用し、自分一人でかかえこまずに、周りに協力を求めましょう。
うつ病の方の就労移行支援の相談は「ソース堺東・三国ヶ丘」へ
本記事では、うつ病の方に向けた就労移行支援事業所の概要、メリットについてご説明しました。就労移行支援事業所は、就職に関する悩みの相談から、スキルの取得、就職後のサポートまでトータルに支援を受けられる便利な制度です。うつ病だから働けない、働きたいけれど不安とお悩みの方は、ぜひ一度、お近くの就労移行支援事業所にお問い合わせください。
私たちソース堺東・三国ヶ丘は、社団法人社会福祉支援研究機構に加盟する就労移行支援事業所です。経験豊富なスタッフが多く在籍しており、就活や生活のお悩みをいつでも相談いただける環境を整えております。あなたの状況に合わせて最適なスケジュールを組み、就職活動をお手伝いさせていただきます。うつ病の方の就労移行支援の相談は大阪府堺市堺区にある障害者就労移行支援事業所「ソース堺東・三国ヶ丘」へぜひご相談ください。
【監修】佐古順子
サービス管理責任者
職場適応援助者(訪問型ジョブコーチ)
ビジネス実務マナー3級
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種
ソース堺東
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